Leaders Style(リーダーズスタイル)

仁整形外科クリニック 松林保智

仁整形外科クリニック 院長

松林保智

Yasutomo Matsubayashi

1986年順天堂大学医学部卒業。同年医師国家試験合格、順天堂大学付属病院整形外科学教室に入局。1994年仁整形外科を開業。1996年に医学博士号取得。1997年NPO法人まつぼっくりの会を創設。
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 一日24時間、すべての時間を楽しむ。そこが大事ですね。24時間全てを楽しめれば結果は良くなるし、周りも良くなる。仕事の時間って一日の三分の一を占めますよね。通勤時間を入れるともっと。仕事が楽しくないっていう人は、それは考えた方がいいですよ。仕事を変えるとか、取り組み方を変えるとか、転職するなり開業するのが正しいと思います。楽しくないのに給料だけもらってやっていても、もったいない。それをずっと続けていれば病気になりますよね。免疫は落ちるわけだから。

 例えば食事。家で御飯を食べる。美味しければいいけど、ずっと同じ物を食べていて、マンネリ化してくるようなら一つ方法としては自分で料理を作ってみる。料理学校にも通ったりして。美味しくなければ食べてもらう人達にも美味しいって言ってもらいたいですよね。そうすると、食事ひとつとっても何十パターンと増えますよね。
今、料理教室に通っています(笑)
松林保智
 現状の壁の内にいても、もう決まっちゃっているからそこのスペース自体がつまらなくなっちゃっているパターンがあるし、ちょっと外に出るとか、壁を破ってみたりすれば同じことも違う物になる。僕も料理は全然作らなかったんだけど、今、料理教室に通っています(笑)。基本は最初にレシピをちょっと見て、こうやるともっと美味しいんじゃないかとか考えてやりますよね。三回に一回は成功します。失敗したら、ここが悪かったんだなってもう一回チャレンジする。料理をしてみて気づいたのは、料理ってお母さんが作ってくれるでしょ?お母さんっていつも料理の乗った皿を運んで、皆が食べ終わる頃にチョコチョコっと食べて、あまり料理を食べないですよね。なんで食べないんだろうって思っていたんですけど、自分で作ってみて作っている間にお腹が一杯になっちゃうんですよね。特に油物とか作っていると、ちょっとつまんだり、匂いもそうだけど。作り終わった頃には満腹になっている。あんまり食べれないですよね。それを初めて気づきました(笑)

 料理づくりは仕事にも活きますよね。いわゆる普通のクリニックっていうのは、座って具合の悪い患者さんを待っているだけじゃないですか。僕は在宅診療を他がどこもやっていない頃から始めたんですね。患者さんを待っているんじゃなくて、患者さんのところに行って、それで診察して治療をしようと。変な言い方だけど、医療のデリバリーなんですね。そうしたら、僕がやってから5、6年してからシステム化され始めて伸びてきた。私の後輩でも在宅診療の専門のクリニックをやっている人もいますし。マンションの一室でも、電話と器具があれば始められる。それも発想の転換。具合の悪い人は必ずどこかにいるからその人たちをみつけて、連携をとってこっちから行く。そこが全く今までの診療所と違う。

 紹介してもらうシステムを早く整えるのが肝心ですね。今、病院ってベッド数を減らされる傾向にあるんですけど、減らされていくっていうのとは別に、回転を早くしないといけないんですよ。一人の患者さんがいる平均日数っていうのが何日以上ってなると点数が減るんですよ。入院して手術をしたらみんな早く退院してもらいたいと思っている。その受け皿になるのが在宅の診療所なんですね。病院はそういうところを探しているわけで、退院後の相談をする中にソーシャルワーカーさんとか、あとはケアマネージャーさんとか、そういった人達がいて、そこに在宅診療の話を持っていっておかないと向こうにニーズがあってもこっちに連絡がこない。それが大事。そのニーズはもの凄く多いんですよ。受け皿は少ないけど、少ない中でも「ウチはこういうことをやっていますよ」って主張しないとせっかくのニーズも満たしてあげられない。システムをきちっと連携するのは、一番大事ですね。
一人ひとりの人生をイメージしながら
仁整形外科クリニック
 よく人と話してみないと、本当にその人にとって必要なものは分からない。こっちが良いと思っても必ずギャップがある。患者さんにはそれぞれの目標があるわけですから。リハビリをして歩けるようになって外でラーメン屋さんに一人で行くのが一つの目標だと言う人もいる。それに向かって頑張っていこうって僕も含めてなるわけですよね。ラーメンを食べに行くのを目標にするのは変じゃないですか?って思う人もいるかもしれないけれど、そこを柔軟に考えて目標を設定しないと冷たい感じの病院になっちゃう。リーダーとして見れば一人ひとり違うわけだから、一人ひとりよく話を聞いて様子を見て、オリジナルにコーディネートしないといけないと思いますね。200人患者さんが来たら一人一人違うし、その日によっても違う。そこをきちっと見て、変えていかないと。目標も変わることがあるし。細かいそういうことを見ることによって、オーダーメイドの治療もできるし、ケアができる。それは基本。それを積み重ねることで患者さんと、患者さんの人生を良い形で共有できる。凄く良いことですよね。可能であれば、生まれてから、それから治ってから10年とか20年ずっと見る。診察と治療は短い時間だけれど、できるだけ見ようとする。イメージしながら仕事をするわけですよね。

 食べず嫌いとかやらず嫌いは人生の幅を狭めていくことは確かなんですよ。特に若ければ若いほどそれは無くした方がいい。やってみたら良かったっていうことは多いですよね。あとは、全体の風潮に流され過ぎると人生ってつまらない。例えば旅行に行って、京都に行った時も石垣島に行った時も、ガイド本を持っていないからそのままフラっと街を歩くんですよね。それが面白い。そうすると、びっくりするような楽しいこともあるから。人がガイド本を見て、選んだ店に付いて行くと大概美味しくない(笑)。
※記事の内容は取材当時のものとなります