Leaders Style(リーダーズスタイル)

汐留整形外科 三上 裕嗣

1969年東京生まれ。96年慶大医学部卒業後、同整形外科学教室に入局。臨床医として研鑽を積みつつ、慶大大学院では脊髄再生に関する基礎的研究に従事し、その業績は高く評価され2004年度慶大医学部三四会賞(三四会奨励賞)を受賞。その後も脊椎脊髄外科医として数多くの手術を手がけ、2006年より聖路加国際病院整形外科に所属、その間に米国アイオワ大学脊椎外科、ニューヨークHospital for Special Surgery脊椎外科に臨床留学。村山医療センター医長を経て2014年汐留整形外科院長就任。整形外科専門医、脊椎脊髄外科指導医、学会認定リウマチ医、スポーツ医等多数の資格を持つ。医学博士。 
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 両親が勤務医であり、医者という職業は非常に身近でしたが、逆に特別な感覚がなさすぎるためか、純粋に何かを作り上げる仕事への興味が強く、建築家ないし都市計画に携わることへの漠然とした憧れはありました。医学部に合格したことを自分の運命として、父と同じ整形外科医、脊椎外科医としてこれまでずっとメスを握り続けて邁進してきました。手術でないと、もはや症状を良くできない患者さんも確かに多いのですが、加齢に伴うような整形外科疾患は、外来でのきちんとした治療や生活動作指導、特にリハビリなどもしっかり行えば、良くなる患者さんもとても多いことを実感していました。しかし、手術も行う大病院や都心部の総合病院では、外来・リハビリも含めてのトータルケアをしたくても物理的になかなか難しい現状がありました。今までの私の臨床経験を、患者さんの要望に限りなくお応えする柔軟性を保ちつつ、提供できる場をつくりたいと考え、汐留整形外科を開業しました。
仕事のSTYLE
三上 裕嗣
 従来から教科書に記載されているような治療の王道はあるわけです。診断をきちんとつけた上で、症状を良くしなくてはならないのも鉄則です。しかし、それは大前提として、その間のプロセスで患者さんの希望というものもあるわけです。医療者側から一方的に説明と治療を押し付けて、患者さんとのコミニュケーションがうまく図れていない現場は幾度も目にした事があります。医療者は決して傲慢であってはいけません。病院にかかって診てもらおうと決断を下すくらいの病気や、調子が悪くて、身も心も弱くなってしまっている方には、相応の配慮をするのは人として当たり前です。人間対人間のやりとりなのですから、患者さんの話される内容はもちろんのこと、具体的な言葉や語調から病気に対する理解度や心理状況も汲み取り、その方々に相応な言葉使いで、現状の説明と今後の治療のご提案をしなくてはなりません。皆、価値観が同じ訳ではないので判断を誤るリスクはありますが、私は自分が患者として訪れたらどういった説明や対応をして欲しいか、という視点で臨むようにしてきました。これは、おそらく異業種であっても対人接客として応用が利く方法かと思います。私が第一期生の大学院生として、文字通り師匠としてお慕い申し上げている、慶大整形外科戸山教授が掲げた教室のモットーに「患者さんに優しく、病気に厳しく」という非常に的を得たお言葉があります。しかし整形外科疾患は加齢を背景にしていることが多いので、一部の腫瘍系疾患を除けば、病気との全面戦争ではなく、病気と肩を組みながら、悪事を働こうものなら時々横槍を入れるか締め上げるか(笑)、というような感覚でちょうどよいのではないかという意味合いを込めて、「病気にちょっと厳しく、患者さんにとことん優しく」が私の今のSTYLEでしょうか。
若者へのメッセージ
汐留整形外科
 この世に無駄な経験なんてひとつもないと思います。初めてのシチュエーションでうまくいかないなんて誰もが経験していることで、逆にうまくいってしまった場合、達成されたことの満足感と安堵感でそれまでのプロセスがあまり記憶に残らないことが多いのが実状で、ポジションとしての成功加点はあっても人間としての進歩はほとんどないと思います。失敗したからこそ対峙する次の状況を、楽しみを持って味わうべきです。もし若いうちに出るか引くかで迷う状況となったら、失敗を恐れずにチャレンジする、何よりその場を経験するということが重要と私は考えます。あるときに下した決断を、結果的に後悔だってしてもよい。その後悔を次に活かせるように準備を怠らないことです。失敗するあまたの経験を通して、振り返って周りをしかと見回し、置かれた状況の中の自分を俯瞰し、客観視できる冷静さが備わるようになります。うわべだけでない「勇気ある撤退」という選択肢も兼ね備えられるようになります。本当の強者は、終始自分のペースで押し切れるのですが、最初からそれができる者などそうそういないと思います。100%近い力で突っ走って失速する失敗を経験していないと、実力を出し切る最高のパフォーマンスをするための最適なペース配分が身に付きません。だから若いうちこそ、最後まで望みを棄てずに、その状況でできるベストを尽くすことのみをシンプルに考えて、突き進んでほしいと思います。
会社概要
企業名汐留整形外科
所在地東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティーセンター3F
業種医療
事業内容メディカルクリニック(整形外科、リハビリテーション科)
URLhttp://www.shiodome-seikei.com/
※記事の内容は取材当時のものとなります