Leaders Style(リーダーズスタイル)

赤枝六本木診療所 赤枝恒雄

1944年生まれ。徳島県出身。1968年3月東京医科大学を卒業、同年4月東京医科大学産婦人科学教室に入局。1977年に東京都港区に赤枝診療所を開業する。医学博士。1999年に街角無料相談室、2002年エイズ街角無料検診を開設。現在も六本木の街中に出て思春期の子どもたちから性感染症や望まない妊娠を防ぐガールズガード運動を展開している。
徳島の産婦人科医の3代目として生まれました。父は赤枝家に養子として入ったこともあり、子どもの教育にはとても厳しかった。立派な医者にしないと赤枝家に申し訳ないという気持ちがあったようです。お米は一粒でも残したら外に出され、おかずの文句など言おうものなら真冬でも風呂場で水をかけられました。また、これからは国際社会になるから語学に精通するために耳を鍛えておかないといけないということでバイオリンを習わせたり、精神統一をしないと立派な大人になれないと書道を習わせたり、体力をつけないといけないからと和弓を習わせたり。当時は怒られながらだったので憎しみばかりで、早くこの家を出たいという気持ちしかありませんでしたが、今では親は親で一生懸命だったんだと思います。18歳で高校を卒業後、東京の大学に進学するために独り立ちしました。
患者さんが「わがまま」を言えるクリニック
赤枝恒雄
六本木で開業したのは建築関係に務める友人から情報をもらったことがきっかけです。徳島の実家は私の上に長男がいたので、てっきり兄が父の跡を継ぐものと思っていたのですが、兄は横浜で開業したので結果的に二人とも跡を継がなかった。そのことで兄とケンカをしたことがあります(笑)。私が医者になってから、父から「一緒に仕事をしよう」と呼び戻されて、1年間徳島に帰りました。父の持っている技術を伝えたかったということがあったのかもしれません。開業医というのはどうしても利益を上げないといけないので、ガーゼの処理ひとつとっても無駄にしないやり方がある。よその病院には負けたくないから、自分なりの技術を開発するんですね。大学病院では教えないような、こまごまとしたところに対処するための開業医の知恵や技術を父から学びました。例えばやむなく妊娠中期で人工中絶をしなくてはならないとなった場合、大学病院では5日~1週間は入院するのですが、当院では日帰りで手術を行っています。安全な医療を行うことはもちろん大事ですが、要点を抑えていればそこまで入院することはない。父から代々の開業医がやっていた手法を身につけさせてもらったからこその結果ですが、当院では妊娠6カ月でも希望があれば日帰りで手術を行います。しっかりと手術をしている上、携帯で24時間フォローできる体制を整えているので、この40年間無事故でやってきています。お子さんのいるお母さんや仕事をなかなか休みにくいという方からは入院期間が短いことで喜ばれていますが、家が遠いなど希望される方はもちろん入院することも可能です。 また、自分自身が痛みに弱いこともあり、どんな処置にも麻酔を使うようにしています。うちにきたら痛い思いはしないよと。患者さんも本当に痛くないんだというのがうれしいみたいです。麻酔は、知識と技術が十分にあり、しっかりと勉強をしている医師が行えば安全です。患者ファーストで、治療もお産も、時間的なものもすべて、患者さんの希望通りに行っています。こうした小回りがきくのも開業医の強味ですね。患者さんが安心してわがままを言えるクリニックだと自負しています。
子どもたちに性の危機管理の重要性を説く
赤枝六本木診療所
1999年から18年間、街角に出て無料で性に関する相談を受けたり、エイズ検査を行ったりしています。病院や保健所では検査結果が出るまでに1週間はかかりますが、私がやっている街角無料エイズ検査では15分でわかります。できるだけひとりでも多くの人に感染の有無を確認してほしい。この活動はこれからも続けていきたいと思っています。 実際に街角に出ると、学校も行っていない、家にも帰っていないという子どもたちに出会います。よくよく話を聞いてみると、平気で不特定多数の異性とコンドームを付けずに関係を持ち、性病に感染していたり妊娠したりしている。性に関する正しい知識がないので被害に遭ってしまうんです。性に関しては何も言わない親や先生がいる一方、性教育をすると怒る親もいる。街中には商業的な性の知識が流れているので、大人はそういう風にしているんだと子どもは思っている。子どもは親が思っている以上に知識を持っているのですが、親はそうは思っていない。このまま日本はいったいどうなるのかという危機感を抱き、どうしたらこの現状が改善されるかを考えたとき、子どもたちに性の危機管理の重要性をもっともっと伝えていく必要があると強く感じました。外来診療で訪れる患者さんにも同様に、現実に起こっていることに対処しながら、性の危機管理の重要性を伝えていけたらと思っています。
プロフィール
氏名赤枝恒雄
出身地徳島県
会社概要
企業名赤枝六本木診療所
所在地東京都港区元麻布3-1-30
業種産科・婦人科
URLhttp://www.akaeda.com/
※記事の内容は取材当時のものとなります