スポーツコミュニティ株式会社代表取締役

中村伸人

Nobuto Nakamura
1974年生まれ。神奈川県出身。学生時代に体操競技で全国大会に出場。大学院修了後、スポーツ専門学校の教員となり、広報担当などを務めながら生徒数を急増させるなど手腕を発揮する。2002年にスポーツコミュニティホールディングス株式会社を設立。代表取締役に就任。全国で体操指導を展開し、日本最大の会員数を誇る。
中村伸人

我々が掲げる経営理念は、「共に育つ」という文字を書いて「共育」。子ども達を育て成長してもらうためには、教える側の我々も育ち成長していかなければいけないと思うからです。教員にもゴールはありませんし、常に自分たちも成長していくことを心がけてきました。言葉で言うのは簡単かもしれませんが、実際に目に見える形で成長していくためには、根気よく子どもたちと向き合い、何度でもトライし続けること以外に道はないと思っています。

競技をする楽しみから、教える楽しみへ

中村伸人

体育教員をしていた父母の影響もあり、幼い頃から体操は身近なものでした。私もごく自然な流れで、小学校2年生から体操を始めることになったんです。得意だった種目は鞍馬。インターハイやインカレ、国体といった全国規模の大会には全てのカテゴリーで出場してきました。「いつかオリンピックに出たい」「体操選手になりたい」という夢を描き、高校でも体操部に所属。大学進学後も体操漬けの日々を続けています。
しかし大学在学中に自分の実力が明確になったこともあり、選手生命はここまでだと意識するようになっていきました。両親も体育教員をやっていましたから、選手としての経験を生かして教員を目指す道が、私にとって最善の選択だと思うようになっていったのです。
その後、大学院に進学し、スポーツの専門的な知識を深めていきました。学業とは別に週2回ほど、母校で体操教室の顧問を任されることになったのもこの時からです。
体操教室ではマニュアルやカリキュラムも無いところから授業の内容を一から考え、自分一人で教室づくりを進めていきました。しばらくすると徐々に口コミが広がり、生徒数も増大。体操が嫌いだった子ども達が、体を動かす楽しさを覚えていくのを見ることは大きなやりがいでもありました。当時の原体験が今の事業にも大いに活かされていると思っています。
体操というのは、得意なところを伸ばし、苦手なところをいかに苦手に見せないかという組み合わせのスポーツでもあります。そうした達成感が人としての成長にも繋がりますし、スポーツを通じてコミュニケーションをはかったり、礼儀を学ぶ人間教育にも通じていくもの。そうした成果や手応えが、「いつか起業してみたい」という思いの根源になっていったのかもしれません。
大学院修了後にはスポーツ専門学校の教員として就職し、幅広い領域で研鑽を積みながら、自分自身が成長していける環境に身を置いていきました。広報担当として生徒募集やPRを手がけ、開校から僅か3年で1600名近くの生徒を集めることに成功。日本一大きなスポーツ専門学校として広く知られるまでになっています。当時の成果が大きな自信にもなり、それまでの経験やノウハウを活かして起業(挑戦)しようと決意を固めました。

右肩がりの成長を遂げた18年間

中村伸人

起業するにあたって、当時から考えていたトランポリンを活用した教室を開講するためにも、実際に神奈川県内の公園などにゲリラ的にトランポリンを設置。そうしたテストマーケティングが功を奏し、子どもたちが100名単位で列を作るようになっていきました。
確かなニーズを確信した私は、2002年にたった一人で起業。2年目には4名のスタッフを雇用し、その後もスタッフが倍増すると同時に、会員数も伸びていきました。起業してからの約18年間、業績は右肩上がりで推移し続けています。
当初から事業のベースとなっているビジネスモデルは、大学院時代に始めた体操教室のモデルとほぼ変わっていません。特定の施設を持たずに生徒を集め、神奈川県内を中心に体操教室を一つひとつ開講していきました。それによって場所にかかるコストを軽減し、教室展開をスピーディに行うことを可能にします。そうした展開力や柔軟性が当社の特徴の一つとなっていきました。
我々のスポーツ事業において、会員数は成長の目安の一つになります。設立から3年程度で3000名、10年後には関東県内を拠点に1万名の会員数を誇るまでになりました。現在は全国規模に教室を展開し、会員数を伸ばし続けているところです。

アジア進出とオンライン事業の挑戦

現在、当社が運営する教室の全国展開は終盤に差し掛かり、全国展開における一つの成果が見えてくるフェーズに差し掛かっています。つまり次のステージへ新たな一歩を踏み出していかなければいけないタイミングでもあるということです。
その前準備として、2020年には台湾で体操教室を開講。グローバルな展開も視野に入れていくようになりました。最終的には中国に拠点を出したいという希望もありますし、今後はアジアのマーケットを舞台に挑戦をしてみたい。その一つの足掛かりとして台湾でインストラクターを養成し、中国で運営できる地盤作りを進めていくことが大きな挑戦でもあります。
日本ではスポーツを通じて礼儀を学ぶなど、人間教育に紐づけていく文化もありますが、海外ではそうした文化はほとんど根付いていません。だからこそ、単にアジアのマーケットを舞台にスポーツを学ぶ場を創出していくのではなく、日本独自の文化である人間教育に繋がるスポーツ事業に注力していければと考えています。
また現在はコロナの影響もあり、子ども達に対面で指導を行うというフィジカルワークの限界を改めて痛感させられました。そのため当社では早くからオンライン授業に着目し、独自のデジタルコンテンツを確立していきたいと考えているところです。その一つとしてキーになるのが、スポーツ選手のセカンドキャリア。プロとしてスポーツに携わってきた方々が、「技術を教えたいけれど教える場がない」という現状は多くあるからです。学校の部活動などでも子ども達のスポーツの時間が削られていますから、オンラインを活用することで双方の解決につなげていくスキームを作っていければ、必ず勝機はあると考えています。オンラインでは人数にも制限がないですし、遠隔でも指導を行うことができるメリットもある。スポーツのデジタルコンテンツにおけるマーケットは、まだまだ大きな可能性を秘めている領域だと思っています。
とはいえ、今は大きな絵(ビジョン)を描いている途中に過ぎません。オンライン事業にしても中国進出にしても、まだまだ道半ば。一つひとつを丁寧にチューニングしていきながら、多くの子ども達に様々な学びを得てほしいと思っています。
私自身もスポーツを通じて人としての基本を学んできた一人。スポーツに真摯に向き合いながら事業に取り組んできたからこそ、今の成果があるのだと思っています。
今後も共育を継続していくためにも、スタッフ同士が手を取り合い助け合いながら、時代の変化に柔軟に対応していき、成長や挑戦を止めずに突き進んでいきたいですね。

※記事の内容は取材当時のものとなります

プロフィール

氏名
中村伸人
URL
https://sports-community.co.jp/

Information

企業名
スポーツコミュニティ株式会社
所在地
横浜市西区北幸2-9-30 横浜西口加藤ビル4階
URL
https://sports-community.co.jp/